世代とオーディオ(略称の違い・その4)
ステレオサウンドの創刊は1966年、
現会長であり創刊者の原田勲氏は、記憶違いでなければ1935年生れ。
31歳のころの創刊である。
瀬川先生も1935年生れ、
菅野先生、長島先生、山中先生は1932年、井上先生は1931年、
岩崎先生は1928年だから、みな30を超えたばかりくらいである。
五味先生は1921年12月だから、44歳。
みな若かった。
作り手だけが若かったわけではない。
そのころのステレオサウンドの読者も、若かった。
もちろん作り手よりも年上の読者もいても、
中心層は作り手側と同じか若い世代だったはずだ。
ステレオサウンドが創刊10年を迎え、20年、30年……といくごとに、
作り手も読者もあわせて歳をとっていく。
これは単なる推測ではない。
ステレオサウンドが三年前に発表した資料によれば、
19才未満が2%、20〜29才が3%、30〜39才が11%で、この世代の合計は16%にすぎない。
のこり84%は40才以上であり、60〜69才が28%といちばん多く、
80才以上も19才未満と同じ2%である。
作り手も歳をとっていく、と書いたが、
歳をとっていく作り手もいれば、編集者は入れ替りが当然あり、
読者やステレオサウンド誌とともに歳をとっているわけではない。
いまのステレオサウンド編集部の平均年齢がいくつなのかは知らないが、
30代から40くらいまでが中心のように感じている。
創刊当時の50年前とは、この点が大きく違ってきている。