Date: 6月 6th, 2017
Cate: plus / unplus
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plus(並列接続・その2)

真空管、トランジスターといった能動素子を並列接続にするのではなく、
アンプ自体を複数並列接続するという手法は以前からある。

たとえばマッキントッシュのMC275は、左右チャンネルを並列接続し出力をアップすることができたし、
半導体アンプでは、ジェフ・ロゥランドDGのModel 10とModel 12は、
LM3886というパワーIC(8Ω負荷時38Wの出力)を、
Model10は12個、Model12は12個だが、こちらはモノーラル仕様なのでステレオだと24個使っている。

つまりパワーICというアンプを、
Model 10は6パラレル、Model 12は12パラレルという仕様である。

自作アンプの世界では、ラジオ技術で別府俊幸氏が、
出力トランジスター固有の音を嫌って(別府氏は音の鈍さと表現されている)、
電圧増幅用のOPアンプを多数並列接続にしたパワーアンプの製作記事を発表されている。

別府俊幸氏は、能動素子の並列接続よりも、
アンプを並列接続するほうに、音質的メリットがある、とも主張されている。

出力段のパワートランジスターを並列接続して大出力を確保する場合、
入力から出力までの配線はどうしても長くなってしまう。
NFBをかけているのが通常だから、NFBループも長くなってしまう。

一方でジェフ・ロゥランドDGのModel 10のようにパワーICを使えば、
入力から出力までの配線は短い。
パワーICの大きさ以上にはならない。
NFBループも当然短い。

面積で比較してみるといい。
ディスクリート構成のパワーアンプとパワーICの面積は大きく違う。
パワーICを複数並列接続することで、一台のアンプとしてのサイズは大きくなっても、
ひとつひとつのアンプの入力から出力まで配線の長さと面積は、パワーICのサイズのままである。

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