日本の歌、日本語の歌(アルテックで聴く・その5)
ヤマハ、こういった場でのプレゼンテーションはソツがない。
かけるディスクの選択もそういえる。
でも2015年のインターナショナルオーディオショウでの一枚だけは、
少し気になるところというか、疑問に感じるところがあった。
山口百恵の歌だった。
よく知られている曲ではなく、私は初めて聴く山口百恵の歌だった。
まったく冴えない音が鳴っていた。
初めて聴くわけだから、録音のせいかもと思うわけだが、
他のディスクの鳴り方からすると、そうとも思えない。
山口百恵の歌がうまく鳴らなかったから、
ヴォーカルの再生がNS5000の試作機は苦手としていたのか、というとそうではない。
誰だったのか忘れてしまったが、外国人歌手による歌はなかなかよかった。
それに、これも誰だったのか忘れてしまったが、
日本人による日本語の歌でも、歌謡曲と呼ぶよりもJ-POPと呼んだほうがいい、
そういった歌においては、えっ、と思うほど、山口百恵の歌の時とは違う鳴り方をしていた。
山口百恵の歌での精彩のなさが、そこにはないのだから。
実はプレゼンテーションが始まる前、
つまり開始時間の前に、数曲鳴らされていた。
その中にも、日本語の歌はあった。
クラシックの歌い手による日本語の歌で、
実はこれもうまく鳴っていなかった。
山口百恵の歌を聴いていて、この時の音を思い出すほどに、同じように精彩の欠けた鳴り方だった。
思うに、日本語の発音として、
クラシックの歌い手と山口百恵は問題なく、
J-POPの歌い手においては、いわゆる巻舌っぽい日本語であった。