Date: 5月 20th, 2017
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リファレンス考(その9)

コンシューマーオーディオのバランス伝送は、
コントロールアンプとパワーアンプ間で始まった。
それからCDプレーヤーの出力もバランス対応のモノが登場しはじめた。

そうなってくるコントロールアンプはバランス出力だけでなく、
バランス入力も備えるようになってくる。

最近ではMC型カートリッジのバランス接続が流行しはじめているようだが、
これは、それまで片側が接地されていたのを浮しただけともいえ、
バランス接続というよりもフローティング接続といったほうがいい。

MC型カートリッジのバランス化は、ハイフォニックが1980年代後半に行っていた。
カートリッジ内の発電コイルの中点からリード線を引き出し、
トーンアームもそれに応じて内部配線を通常の四本から六本にしたワンポイント型、
昇圧トランスも一次側巻線にセンタータップを設けたモノが用意され、
カートリッジ、トーンアーム、昇圧トランスと一式揃えることで、
バランス伝送を行うというものだった。

いまバランス接続(伝送)といっている方式は、
SMEの管球式フォノイコライザーSPA1HLのころからある。

SPA1HLは昇圧トランスを内蔵していた。
一次側巻線の片側は接地されていなかった。
入力端子は一般的なRCAコネクターで、トーンアームの出力ケーブルに二芯シールドケーブル、
もしくは同軸ケーブルならばその上に銅箔テープかアルミホイルを巻いてアースに落とすか、
このふたつで対応できる。

SPA1HLが登場したころ、SMEのトーンアームのケーブルも二芯シールド型が出てきた。
このケーブルのシールドはRCAプラグの外側には接続されていない。
リード線が引き出されていて、つまりアース線が三本になり受け側のアース端子に接ぐ。

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