A DAY IN THE LIFE
「A DAY IN THE LIFE」
ステレオサウンド 16号にディレクター論の二回目が載っている。
菅野先生と岩崎先生による「クリード・テイラーを語る」である。
この中に「A DAY IN THE LIFE」のことが出てくる。
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岩崎 ちょっと恥ずかしいんですが、ぼくは少し前までは「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を聴かないと一日が終わったという気がしなかったものです。それくらいこの人のレコードは好きなんですね。あのレコードを毎日毎日聴いていた。まるで麻薬、音楽の麻薬みたいなものですよ。あの企画は、時代の感覚を鮮明に盛りこんだ音というのは、まちがいなくクリード・テイラーの音だと思うのです。
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「クリード・テイラーを語る」の記事の前半を読めば、
「A DAY IN THE LIFE」が、
クリード・テイラーがA&Mにスカウトされて最初に出したアルバムということが、
ジャズに明るくない私にもわかる。
ウェス・モンゴメリーのアルバムだ、ともわかる。
16号を読んだ時から、いつか買おう、と思っていたけれど、
クラシックばかり聴いていると、つい後回しにしてしまう。
後回しにしているうちに、買おうという気持とともに、
「A DAY IN THE LIFE」のことも記憶の片隅に追い払っていたようだ。
でも、なにかの拍子に、突然思い出す。
そうだそうだ、「A DAY IN THE LIFE」を買わなくては、と気づく。
気づくまでにけっこうな月日が経っている。
悠長な買い方をしているわけだ。
聴いていて、曲の展開に少し驚いた。
こういう曲だったのか、と思うとともに、
16号で、岩崎先生が「ちょっと恥ずかしい」といわれている理由が、わかったような気もした。
「A DAY IN THE LIFE」を1960年代のおわりごろに、
岩崎先生は毎日聴かれていた。