「貌」としてのスピーカーのデザイン(その4)
DD66000のウーファーの下側には、レベルコントロールがあり、
通常はカバーで覆われている。
このカバーは簡単に外すことが出来る。
サランネットを外した音、さらにはこのカバーを外した音。
ここからDD66000の音が始まる、といえるかもしれない。
レベルコントロールのカバーを外した音と装着したままの音の違いは、
それほど大きいわけではないが、それでも一度その違いを聴いてしまうと、
カバー装着の音は聴きたいとは思わないし、無視できない違いであることは確かだ。
DD66000全体が、ひとつの大きな顔に見えてしまう理由のひとつが、
このカバーにもある。
カバー装着時の音は、鼻をつまんでいる話しているようにすら、
外した音を聴いてしまうと、そう感じてしまう。
つまりはカバーが、鼻の穴的にも思えてくる。
そうなると、二基のウーファーの中心には、バッフルが角度をもって接合されているため線がある。
この中心線が鼻筋に相当するかのように見えてしまう。
エンクロージュア下部(台座)の凹んだところが口、
一度そういうふうに捉えてしまうと、このイメージを払拭できないでいる。
だからといって、スピーカーシステムのデザインは、
フロントがフラットであるべき、などとは考えていない。
それでも……、と、DD66000を見ているとおもう。
デザイン、ネーミングの難しさである。