PCM-D100の登場(その7)
世の中に自作マニアと呼ばれる人たちがいる。
オーディオの世界にいる。
本職を別に持ちながら、趣味としての自作マニアは昔いる。
その腕前は、なぜ本職にしないのだろうか、と思ってしまうほどの人もいる。
2013年9月、ソニーからPCM-D100が登場したのを機に、
この項を書き始めた。
書き始めて気づいたのは、録音もオーディオの世界における自作であるということだ。
自作にはアンプの自作、スピーカーの自作、
中にはアナログプレイヤー、トーンアーム、さらにカートリッジの自作などがある。
どれもハードウェアである。
無線と実験でDCアンプシリーズの記事を発表し続けられている金田明彦氏は、
マイクロフォンアンプもDCアンプ化し、ある時期から録音も手がけられるようになった。
そのころの無線と実験は熱心に読んでいた。
けれど、金田氏の行動を、プログラムソースの自作という視点で捉えることはできなかった。
なぜ、そう捉えられなかったのか、いま思うと不思議なのだが、そうだった。
それから30年ほど経ち、PCM-D100が登場して、やっとそう捉えられるようになった。