世代とオーディオ(中古オーディオ店の存在・その1)
オーディオがブームだったころ、吉祥寺にはオーディオがいくつかあった。
オーディオガラという、鉄製のプレーヤーキャビネットを製作しているところもあったし、
パルコの地階にはダイナミックオーディオもあったし、ジャズ喫茶も多かった。
住みたい街No.1である吉祥寺(最近の調査ではそうではなくなったようだが)に、
オーディオ店はつい最近までオーディオユニオンだけだった。
今日西荻窪に用があり、吉祥寺まで五日市街道を歩いていた。
いつもなら途中で左に曲り駅に向うのだが、今日は少しまっすぐ歩いた。
するとハードオフが見えてきた。
ハードオフについての説明はいらないだろう。
ハードオフの店舗が少しずつ増えてきたころは、
店舗を見付けては覗いていた。
そのころはオーディオ的には穴場といえるところもあった。
これが、この値段なの? ということが時々あった。
でもここ数年、中古オーディオの価格は、他のオーディオ店と対して変らなくなった。
そうなるとハードオフから足は遠ざかる。
理由はオーディオ機器の扱いがぞんざいだからだ。
他の中古オーディオ店がていねいに扱っていると見えるほどに、
ハードオフの扱いはぞんざいだった。
ハードオフもいくつも店舗があるからすべての店舗がそうであるとはいわないが、
少なくとも私が行ったことのある店舗はすべてぞんざいとしか思えなかった。
けれど吉祥寺にできたハードオフ オーディオサロンは、違っていた。
だから、ここで書いている。
まず建物が新しい。
三階にオーディオサロンがある。
店舗が広いから、ゆったりと展示してある。
これまでのハードオフのぞんざいな扱いではない。
オーディオ機器として扱っている店舗である。
ハードオフという名称を使わない方がいいのでは……、と思ってしまうほど、
他の店舗とは違って見える。
ちょっと心惹かれるモノがいくつかあった。
見ていて、楽しい、と感じていた。
あの人には、こんなモノがあったよ、
また別の人には、これがあったよ、と写真を撮ってメールしたくなる気分になっていた。
オープンして数ヵ月くらいだから、品揃えもいいのかもしれない。
今後、どうなっていくのかはなんともいえないが、
少なくとも吉祥寺にオーディオの活気が戻ってくるのかもしれない、とは思える。