AXIOM 80について書いておきたい(その13)
森本雅樹氏の記事のタイトルは、
「中高音6V6-S 低音カソ・ホロ・ドライブ6BQ5-PPの定電圧電源つき2チャンネル・アンプ」。
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グッドマンのAXIOM 80というのはおそるべきスピーカです。エッジもセンタもベークの板で上手にとめてあって、f0が非常に低くなっています。ボイス・コイルが長いので、コーンの振幅はかなり大きくとれるでしょう。まん中に高音用のコーンがついています。ところが、エッジはベーク板でとめてあるだけなので、まったくダンプされていませんから、中音以上での特性のアバレが当然予想されます。さらにまたエッジをとめるベークをとりつけるフレームがスピーカの前面にあるのですが、それがカーンカーンとよくひびいた音を出して共鳴します。一本で全音域をと考えたスピーカでしょうが、どうしても高域はまったくお話になりません。ただクロスオーバを低くとれば、ウーファーとしては優秀です。
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1958年の記事ということもあって、森本雅樹氏のシステムはモノーラルである。
このころ日本でステレオ再生に取り組まれていた人はいたのだろうか。
森本雅樹氏のスピーカーシステムは、
ウーファーがAXIOM 80とナショナルの10PW1(ダブルコーンを外されている)のパラレルで300Hzまで、
スコーカーはパイオニアのPIM6(二発)を300Hzから2500Hzまで、
トゥイーターはスタックスのCS6-1で1500Hz以上を受け持たせるという3ウェイ。
森本雅樹氏はAXIOM 80を300Hz以下だけに、
しかもナショナルののユニットといっしょに鳴らされている。
高域はお話になりません、と書かれているくらいだし、
ウーファーとしては優秀とも書かれているわけだから、
こういう使い方をされるのかもしれないが、
瀬川先生にとっては、認め難い、というより認められないことだったはず。
一昨晩のOさんのやりとりの中でも出たことだが、
森本雅樹氏も、室蘭工大の三浦助教授も、学者もしくは学者肌の人であり、
エンジニア(それもオーディオエンジニア)とは思えない。
AXIOM 80の実測データについては(その4)で書いている。
高域はあばれているといえる特性である。
それにAXIOM 80の独特な構造上、一般的なスピーカーよりも共振物がコーンの前面にあるのも確かだ。
その意味でAXIOM 80を毒をもつユニットともいえる。
その毒の要素を、どう鳴らすか、鳴らさないようにするか。
森本雅樹氏は鳴らさないようにする手法を選択されている。
瀬川先生とは反対の手法である。