Date: 12月 24th, 2016
Cate: 世代
Tags:

世代とオーディオ(スピーカーとヘッドフォン・その1)

ヘッドフォン、イヤフォン市場は活況のように見える。
ヘッドフォン祭に行くけば、若い人たちが多い。
家電量販店でもヘッドフォン、イヤフォンのコーナーは広かったりする。

このことについてよくいわれるのが、
ヘッドフォン、イヤフォンで音楽を聴いている人たちの一部でもいいから、
スピーカーで音を聴くことに目覚めてくれれば……、といったようなこと。

若い人たちは、スピーカーではなくヘッドフォン、イヤフォンで聴く、とはいわれている。
スピーカーは置き場所を必要とするし、住宅状況からいってもスピーカーを買う人は少なくなっている。
──そんなふうにいわれているけれど、そうなのだろうか。

私が若かったころも、住宅状況はよくなかった。
若者の独り暮しで、広い部屋に住んでいるのは、私のまわりにはいなかった。
さほど、この点に関しては変わらないのではないだろうか。

なのになぜ、いまはスピーカーで音楽を聴く人が減っているのか。
いくつかの理由があるはずだが、そのひとつに、
スピーカーの音が嫌いな人たちが増えてきたためではないか、と思っている。

好きな音楽をいい音で聴きたい。
そういう人は今も昔もいる。
けれどいまはスピーカーの音が嫌い、という人たちの割合が増えてきたのかもしれない。

スピーカーの音を嫌う人は、昔もいた。
昔からスピーカーではなく、ヘッドフォンだけ、というマニアがいた。
でも少数派のように見えた(実際そうたったと思う)。

このスピーカーの音を嫌う人たちの存在が顕在化したのは、
1980年代にはいり、いわゆるプレナー型スピーカーがいくつか登場したからだろう。

スピーカーの音が嫌いでも、いい音で聴きたい。
スピーカーの音が好きで、いい音で聴きたい。
どちらもいるわけだ。

私ははっきりとスピーカーの音が好きで、である。

ほんとうにスピーカーの音を嫌う人たちが増えているのかどうかは、まだはっきりしたわけではない。
でもそうであったとしたら……。
その人たちはスピーカーで聴くようには、まずならないのではないか。

1 Comment

    そのスピーカーも、中にアンプが入って、配線のいらないBluetoothスピーカーが、音楽サイトでの「いい音で音楽を」という記事によく出てきます。(一体型のBluetoothスピーカーを見て、小さい頃のCDラジカセの現代版、とも思ったりしています)
    http://natalie.mu/music/pp/iioto
    この特集もそうですが、アンプの入っていないスピーカーがあまり出てこないのが、寂しいです。

    雑音のない音でFMを聴くために、位相差給電アンテナを屋上に取りつける、スピーカーと置台の周りには何も置かない、壁には吸音材を貼る・・・これをやってみると、それがスピーカーからの音の豊かさにつながって、ハイレゾかどうかは関係なく、「いい音で音楽を聴く」ために大切だということが、オーディオと向き合うなかで、自分なりにわかってきました。そこまでくるのは大変だし、深入りしたくない、という人の方が増えてきているのも、実感しているところですが・・・

    1F

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]