Date: 12月 3rd, 2016
Cate: アナログディスク再生
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ダイレクトドライヴへの疑問(その25)

1978年のオーディオフェアには、国内メーカーからいくつかのアナログプレーヤー、
それもプロトタイプといえるモノが展示されていた。

といっても、当時は熊本住いだったから、オーディオ雑誌の記事で知っている程度でしかない。
後に製品化されたモノではマランツのTt1000。
1978年のオーディオフェアでは、Tt700の名で展示されていた。

ビクターはスーパーターンテーブルとして原盤検聴用に開発された、
上下二重ターンテーブル方式のモノを、
トリオはRP6197という型番の、
超重量級のプレーヤー(これが後のケンウッドL07Dにつながっているといえよう)、
テクニクスはカッティングレーサー用のSP02を展示していた。

私がいいな、と思ったのはフィデリティ・リサーチのNFT40というアナログプレーヤーだった。
トーンアームにはFR66Sがついている。

NFT40という型番は、おそらくNon Friction Air Push up Turntableから来ていて、
末尾の40は、40cm径のターンテーブルプラッターを示している、と思われる。

だからロングタイプのFR66Sが、NFT40には取り付けられて展示されていた。

ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’79」の巻末の記事で、
NFT40のことを知った。知ったといっても、
さほど大きくないモノクロのぼんやりした写真から得られたくらいでしかない。

ターンテーブルプラッターは、40cm径とはいえ、
あくまでも30cmLPのためのプレーヤーを意識してのことだろうが、
段差がついて形状となっているように見える。

レコードのかけかえはやりやすそうである。

NFT40は、世に登場することはなかった。
この試作品は、その後、どうなったのだろうか。
どんな音がしたのだろうか。

まったく情報はない。
そんなプレーヤーのことをいまごろ思い出しているのは、
SMEの3012-R Specialのことを、どうしても忘れられないからでもある。

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