Date: 11月 8th, 2016
Cate: イコライザー
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私的イコライザー考(妄想篇・その15)

BOSE・901が前面ユニット1に対して後面ユニット8なのは、
直接音と間接音の比率が1:8になるようにと説明されてきた。

この比率は、音圧なのだと最初に思った。
実際そうなのだろう。
けれど、901というスピーカーをいま一度捉え直してみていくと、
音圧だけの比率なのだろうか、とも思うようになってきた。

1:8という比率は、ユニットの数でもあり、
振動板の面積の比率でもある。

たとえば前面ユニット1、後面ユニット4にして、
後面ユニットにいくパワーを大きくすることで、
音圧的には1:8にすることもできる。

ユニットのリニアリティが優秀であれば、
もしくはリニアリティがいい範囲を使うかぎりにおいては、
前面ユニット1、後面ユニット8と、少なくとも同じ効果が得られるはずなのだが、
実際にはどうなのだろうか。

これは自分で実験していくしかないのだが、
音圧だけでなく振動板の総面積の比率を、無視できなくなる結果になる予感がある。

よく「世の中に登場するのが早かった……」という言い方がされる。
オーディオではスピーカーに、それが使われることが多い。

この表現をみかけると、ほんとうにそうだろうか、と思うことの方が多い。
たとえばQUADのESL。
このスピーカーも、登場するのが早かった、といわれがちなスピーカーであるが、
ESLは周辺機器の性能向上につれて、その能力を発揮するようになっていた。

つまりその時代まで製造中止されることなく生き残ってきたモデルである。
そうなる前に消えてしまったスピーカーは、ほんとうに「世の中に登場するのが早すぎた」といえるのか。

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