オーディオ・アクセサリーで引く補助線(その1)
少し前にアクセサリーのことを補助線に例えた。
アクセサリーに限らず、音を変えていく行為は、補助線を引く行為だと考えている。
それでもケーブル以外のオーディオ・アクセサリーは、
音を出す上で必要なモノとはいえない。
インシュレーター、フィルターなどなど、
それがなくとも音は出る、というアクセサリーがいくつもある。
それらを購入して、という行為は、
たとえばカートリッジを交換したりする行為とは違う補助線を引くことではないだろうか。
補助線は的確でなければ意味はない、といえるが、
最初からそういう補助線が引けるわけではない。
まぐれで引けることもあろうが、まずは引くことである。
頭の中だけで考えていても始まらない。
とにかく音を変えることをして、補助線を引いていく。
無駄な補助線だったと気づくのは、引くからである。
私もこれまでにさまざまなアクセサリーを使ってきた。
最初に買ったアクセサリーは、シェルリード線である。
理由は、安かったからだ。
ヘッドシェル内のリード線は短い。
シェルリード線以降のケーブル、
トーンアーム・パイプ内の配線、トーンアームの出力ケーブル、
カートリッジがMC型であれば、昇圧トランスを使う。
トランスの内部は巻線だから、これもケーブルである。
その出力ケーブルがあってアンプにたどりつく。
アンプからスピーカーシステムの端子までもいくつものケーブルを通る。
スピーカーの内部にも配線材があり、ネットワークのコイルがあり、
ユニット内部にもコイルがあるわけで、そのトータルの長さからすれば、
シェルリード線の数cmという長さは、無視できる長さのようにも思える。
にも関わらず実際に交換してみると、驚くほど音は変る。
ツボとでもいおうか、あるいはウィークポイントでもいおうか。
かかる費用からすれば、大きな効果といえる。