Date: 11月 4th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その84)

41号から読みはじめた私にとって、
アナログプレーヤーのテスト記事は48号に続いて二回目である。

48号ではターンテーブル及び軸受けの強度、
ターンテーブルの偏芯と上下ブレ、
無負荷状態での速度偏差とレコードトレーシング時の速度偏差/ダイナミック・ワウ、
以上の項目について測定していた。

55号での測定には速度偏差がなくなっている。
かわりにランブルの周波数分布が加わっている。

測定にはトーレンスが開発した専用治具を用いられている。
この専用治具は、瀬川先生がトーレンス社を訪問された際に入手されたモノである。
(瀬川先生のトーレンス訪問記事は56号に載っている)

この専用治具については、長島先生が説明されている。
     *
治具の構造は、ターンテーブルのセンターシャフトに固定するチャックを持つ高精度シャフトと、このシャフトに軸受けで支えられ、自由に軸方向に回転できる構造を持つ軽量フレームによりなっている。測定は、フレームの指定された場所にカートリッジの針先をのせ、被測定ターンテーブルのシャフトを通して治具に伝わってくる振動をピックアップして行う。
 この方法によれば,治具のシャフトとフレーム軸受けとの精度を高精度にすれば、レコード法よりはるかに測定系ノイズを減らすことができ、ローレベルまでのランブルが測定できるわけである。治具の説明書によると、測定用シャフトおよびフレーム軸受け部分(これはテフロン系と思われるプラスチックでできている)には絶対に手を触れないこと、布などで拭わないことと注意がされている。これは、治具のベアリングの振動が測定値に影響を与えないよう注意しているためだろう。
     *
55号には、トーレンスの専用治具の写真も載っている。
掲載されている測定結果も興味深い。
特に、アームレスのターンテーブルにおいて、
オーディオクラフトのAC4000Mcとフィデリティ・リサーチのFR66S、
ふたつのトーンアームを使っての測定結果が載っているのが、また興味深い。

トーンアームが違えば、ランブルの周波数分布もかなり違ってくる。
この測定結果も、当時よりもいま見ているほうが得られることが多い。

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