Noise Control/Noise Designという手法(45回転LPのこと・その6)
アナログディスクでは、プチッパチッといったノイズを完全になくすことはできない。
盤面に入ってしまったキズ。
目に見えるひっかきキズもあれば、そうでない細かなキズもある。
そのキズを針がトレースする際に、ノイズが発生する。
このノイズに対しても45回転LPは有利である。
回転数が速い分だけキズを通過する時間も、それがわずかな時間であっても短くなる。
そうなればプチッパチッといったノイズも短くなるわけである。
その分、耳につき難くなる。
目に見えるひっかきキズは不注意によって入ってしまうキズだが、
そうでない目に見えない細かなキズはどうしてついてしまうのか。
ホコリが原因だと思われている。
そのため一所懸命にLPのクリーニングをする。
けれど、ほんとうにホコリが原因であろうか。
微粒子の砂や金属紛のようなホコリであれば、溝にキズをつけるだろうが、
そうでないホコリによって果してキズがつくものだろうか。
それに極端な軽針圧のカートリッジは、
レコード片面をトレースすることが難しいほどホコリに弱い機種も、確かにあった。
けれどある程度の針圧をかけるカートリッジであれば、
特に2.5gから3g程度の針圧をかける場合では、むしろホコリをおしのけていく感じがある。
結局、レコードの溝にキズをつける大きな原因は、カートリッジの高域共振である。
高域共振が起ることで針先が暴れる。
針はいうまでもなくダイアモンドである。
そこで音溝が受けるダメージは容易に想像がつく。
同時に針先の形状によってもダメージの具合が変ってくることも。