オーディオの楽しみ方(つくる・その6)
先日「トランス 自作」というキーワードで検索していた。
上位の検索結果に〝なぜ私は、絶縁トランスを「手作り」しようと思ったのか〟というのが、
表示された。
私が求めている内容かも、と思い、リンク先をクリックした。
某出版社のサイトだった(あえてぼかす)。
この時点で、どの程度の記事なのかはおおよそ想像がついたけれど、
一応最後まで読んだ。
想像を少しも超えていない内容だった。
この記事を書いている木村雅人氏がどういう人なのか、まったく知らない。
記事のタイトルも、木村雅人氏自身がつけたのだろうか。
そんな気はする。
〝絶縁トランスを「手づくり」〟とある。
なぜ、わざわざ自作ではなく手づくりとしたのか。
さらには鉤括弧までついている。強調したいわけである。
だから、私は絶縁トランスそのものを自作する記事だと期待したわけだ。
実際は市販のトランスを買ってきて、適当なケースに収めただけだった。
もちろん、そこから得られるものがきちんとあれば、
思わせぶりなタイトルもわからないわけではない。
そこにはノウハウのかけらも読みとれなかった。
漏洩磁束について、わずかに触れられているが、
ならば100V:100Vの絶縁トランスではなく、200V:200Vの絶縁トランスを買ってきて、
あえて100Vを使うべきである。
この使い方の方が漏洩磁束は減るし、トランスのうなりも抑えられる。
ただし銅損が大きくなるため、容量はさらに見込む必要はある。
それでも電源関係のトランスの使いこなしのひとつとして、
以前から知られていることでもある。
でも、このレベルのことも、記事にはない。
さらに使用されている絶縁トランスはEI型コアである。
EI型であれば、漏洩磁束もX軸、Y軸、Z軸でそれぞれ違う。
もっとも磁束の強いのはどの方向なのかの記述もないし、
そんなことを考えずにシャーシーに収めているだけである。
他にも指摘できるところはあるが、このへんにしておく。
言いたかったのは、
お粗末なモノをつくるのが、手づくりではないはずだ、ということ。