自分で直すために必要なのは……(その2)
修理対象のアンプについているコンデンサーと同規格であることを優先的に探すのであれば、
容量と耐圧によって違ってくるが、秋葉原よりもインターネットの方がすぐに見つかる可能性が高い。
Digi-KeyやRSコンポーネンツがある。
こここでなら、おそらく同容量で同耐圧のコンデンサーが見つかる、と思う。
修理されようとしているアンプは、そうとうに古いアンプのようだった。
その時代は、高音質パーツ、オーディオ用パーツなどは使われていなかった。
しかも、その人はコンデンサーのメーカーにはこだわりはなかったようで、
とにかく同容量・同耐圧のコンデンサーであることが重要だった。
このことを含めてわかってきたのは、その人はどうもインターネットをやられていない。
だから秋葉原のパーツ店を廻っていたようだ。
おそらくメーカーにも電話で問い合せられたのだろう。
電話だったから、修理担当の人は、相手がどういうレベルの人なのか、
おおよその見当がついたからこそ、あえて同容量・同耐圧といったのだ、と推測できた。
ここに書いていることは、私の推測がけっこう入っている。
実際は違っているところもあるだろう。
でも、その人は、同容量で耐圧の高いものであれば大丈夫、といわれたであろう。
修理担当者はそう言ったはずだ。
その人は、どのくらい耐圧の大きいものであればいいのか、とさらに訊ねたのではないだろうか。
何Vだったらいいのか、何Vだったらダメなのか。
メーカーの修理担当者から、ことこまかな指定を欲しがっていたのではないだろうか。
電話で話しているうちに、その人のレベルと性格のある部分が修理担当者にはわかってきたはずだ。
私が店先で聞こえてくる話を五分ほど聞いていただけで、
ある程度はその人のレベルがわかってきた。
修理担当者は、だからその人に合う答を返したのであろう。
私が思っているとおりであれば、このメーカーの担当者はきちんと仕事をしている、といえる。
そのメーカーがどこなのかはわかっているけれど書かない。
型番は不明だが、ゲルマニウムトランジスターが使われている、といっていたから、
相当に古いアンプである。
となると同容量・同耐圧のコンデンサーをその人は見つけたとして、
実際に自分でパーツ交換する段になって、また心配になるのではないだろうか。
ゲルマニウムトランジスターということは50年ほど前である。
そのころのコンデンサーといまのコンデンサーは、
同容量・同耐圧ならばサイズがびっくりするほど小さくなっている。
元のコンデンサーはこれだけの大きさがあるのに、
いまのコンデンサーはこんなに小さい。これで大丈夫なのだろうか……と。