prototype(NS1000X・その3)
1984年に登場したNS1000xの末尾のx(小文字)は、
NS1000Xの登場から10年目ということで、ローマ数字で10をあらわすxがついている。
ならば1974年のプロトタイプであるNS1000XのX(大文字)は、何を意味していたのか。
NS1000XからはNS1000Mだけが生れたわけではない。NS1000も登場している。
NS1000は、NS1000Mとは違い、ウーファー前面に金属ネットはない。
かわりにサランネットがついてくる。
NS1000MではNS1000XにはなかったYAMAHAの文字がフロントバッフルに大きくある。
トゥイーターのほぼ真横にある。
NS1000には、スピーカー本体にはYAMAHAの文字はない。
サランネット下中央に、ヤマハのマークとともに小さくあるだけだ。
NS1000XとNS1000はその点で似ているし、
レベルコントロールの位置もほぼ同じといえる(完全に同じではない)。
NS1000Mはロゴがあるため、レベルコントロールはふたつともスコーカーの真横にある。
NS1000Xの外形寸法はW37.5×H67.5×D32.4cm。
NS1000MはW37.5×H67.5×D32.6cmとほぼ同じである。
奥行きのみわずかに違うのは、NS1000Mのウーファーの金属ネットがあるためだろう。
つまりNS1000XとNS1000Mのエンクロージュアの寸法は同じである。
NS1000はW39.5×H71.0×D34.9cmとわずかに大きくなっている。
NS1000は仕上げにこだわったスピーカーでもある。
NS1000XとNS1000Mの黒塗装に対し、黒檀オイルフィニッシュとカタログには書いてある。
それだけでなくサランネットの固定方法も一工夫なされている。