Date: 8月 19th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その63)

ステレオサウンド 52号の特集は、アンプである。
42号はプリメインアンプの特集だった。
その後、52号までアンプの特集はなかった。

セパレートアンプに関しては、1978年夏に別冊が出ている。
ステレオサウンド本誌でセパレートアンプの総テストはひさしぶりのことである。
編集後記によれば、
セパレートアンプとプリメインアンプの合同試聴は九年ぶりとある。

ひさしぶりのことだけはあった、と思える内容だ。
特集の巻頭には、瀬川先生の文章がある。
三万字近い文章がある。
読み応えが、本当にある。

この後にテストリポートが続く。
52号のテストリポートは試聴(岡俊雄、上杉佳郎、菅野沖彦)と測定(長島達夫)からなる。
プリメインアンプの試聴は、岡俊雄、上杉佳郎、柳沢功力。

この52号の測定で注目したいのは、抵抗負荷の特性だけでなく、
ダミースピーカー負荷時の特性も測定しているところだ。

このダミースヒーカーは三菱電機によるもので、
インピーダンス特性をみるとフルレンジユニットのような特性を持つ。
f0は40Hzで、高域にかけてインピーダンスが素直に上昇している。

一見するとやや薄めのコンプレッションドライバーのように見えるダミースピーカーは、
通常のスピーカーとは逆に音が出ないように工夫されている。
アンプの測定に使うものだから、ハイパワーアンプの測定にも使えなければならない。
ダンパーは二重になり、ボイスコイルの振幅は32mm(±16mm)で、放熱対策もとられている。

このダミースピーカーを負荷として、混変調歪と全高調波歪が測定されていて、
抵抗負荷時の特性と比較できるようになっている。

その他にプリ・パワーのオーバーオールの周波数特性に関しては、
抵抗負荷だけでなく、試聴スピーカーである4343を負荷としたときの特性も載っている。

測定項目としてはそう多くはないが、手間のかかる測定だったはずだ。

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