Date: 8月 18th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その61)

ステレオサウンド 52号には「続・五味オーディオ巡礼」が載っている。
47号から再開したオーディオ巡礼が載っているかいないかで、
ステレオサウンドの印象が、私にとっては大きく変ってくる。

48号、49号と二号続けて載っていなかったから、
50号、51号、52号と三号続けて読める嬉しさと喜びは一入であった。

52号のオーディオ巡礼に登場されるのは、岩竹義人氏。
48号で、井上先生とサブウーファーの記事に登場されていた人であり、
HIGH-TECHNIC SERIES 3(トゥイーター号)に原稿を書かれている。

岩竹氏の回は、「オーディオ巡礼」にはおさめられていない。
52号でしか読めない。

52号ではTHE BIG SOUNDとザ・スーパーマニア、ふたつの連載が始まった。
THE BIG SOUNDの一回目には、EMTの927Dstが登場している。
コンシューマー用のアナログプレーヤーとは明らかに異る威容をもつ927Dstの詳細を、
初めて紹介した記事のはずだ。

山中先生が書かれている。
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 シャフトと軸受の嵌合とか、そういった機械的精度の出しかたは非常に常識的に、まともに作られている。ターンテーブルというものが機械屋の手から電気屋の手に移った現在では、この「まともに作る」ということが忘れられている。この927は、機械屋がまともに設計して作ったものという意味でも貴重な存在といえる。
     *
機械屋の手からから電気屋の手に……、
52号は1979年秋号で、国産プレーヤーの大半はダイレクトドライヴであり、
マイクロが半年ほど前に糸ドライヴのRX5000を出したころである。

機械屋の手から電気屋の手へ移ったアナログプレーヤーの設計は、
電子屋の手に渡った、ともいえる。

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