Date: 8月 13th, 2016
Cate: 「ネットワーク」
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オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その4)

私も声は大きい方だから気をつけなければならないのだが、
意外な人が話を聞いていたりする。

10年ほど前のインターナショナルオーディオショウでの、
業界関係者の会話も、いまだったらどうなるだろうか。

こんなことを話していた、と、すぐにtwitter、facebookで公開される可能性が高い。
場合によっては目線入りの写真付きでの公開かもしれない。

10年ほど前はスマートフォンはなかった。
いまは多くの人が持つようになったし、すぐに写真が撮れて加工もできて、
すぐさま公開することが、スマートフォン一台で可能になっている。

ある話を当事者の人から聞いた。
オーディオの関係者の人で、CESの取材にアメリカに行ったときのことである。
会場近くのホテルのバーで、アメリカのオーディオ関係者と飲んでいた。
アメリカのオーディオ関係者が、とあるメーカーのことを「あの会社はもう終りだ」、
そんなことを話したそうだ。これもまだスマートフォンがないころの話だ。

そのことを日本のオーディオ関係者は黙って聞いていた。
黙って聞いていたのは彼だけではなかった。
別の、アメリカのオーディオ関係者が近くの席で聞いていた。

その人によって、もう終りだといわれた会社の主宰者の耳に入った。
日本のオーディオ関係者は、「あの会社はもう終りだ」に同意していたわけではなかった。
だが否定もしなかった。

そのことがアメリカでは、肯定したと捉えられ、
その会社の主宰者と日本のオーディオ関係者との親しい仲は終ってしまった、と。

「そうは思わない」と一言発していれば、そうはならなかった。
まわりに別のオーディオ関係者がいなければ、そうはならなかった。
けれど不幸なことに、そこはアメリカであり、沈黙は肯定と捉えられるところであった。

黙っていたこと、はっきりと自分の意見を言わなかったことを後悔されている。

いまは同じことが、もっと簡単に起ってしまうかもしれない。

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