JBL 2405の力量(その3)
2405のカタログ発表値では、周波数特性は6.5kHz以上となっている。
4343では9.5kHz、4350では9kHzがクロスオーバー周波数となっている。
今回は計算値では14.4kHzのカットオフ周波数で2405を追加した。
スロープ特性が違うので単純比較はできないものの、かなり高い周波数から2405をつけ足している。
2405はいまとなっては最新設計のトゥイーターとはいえない。
カタログでみても、21.5kHzが周波数特性の上限として発表されている。
ハイレゾ、ハイレゾと騒いでいる現在では、21.5kHzまでのトゥイーターは、
ナロウレンジのトゥイーター扱いされかねない。
けれど2405があるとないとでは大きく音は違ってくるし、
今回は2405の置く位置だけを調整したが、これも大きな違いとしてあらわれた。
できれば台座を組んで、2441の真上にくるように設置することも考えたが、
今回は2441の横に、角材をかまして置いた。
ボイスコイルの位置を、2405と2441で合せて、あとは2405を横方向にスライドしていった。
今回の2405にはバッフルが装備されていた。
計っていないが、20cm以上はあった。
これをエンクロージュアの上で動かすのだから、それほど自由に動かせるわけではない。
エンクロージュアから2405のバッフルがはみ出ない範囲での調整である。
このわずかな移動でも、音はころころ変ってくる。
2405と角材の重量が、新たにエンクロージュアの天板に加重されているのだから、
その位置によって天板の振動モードは変化し、
ひいてはエンクロージュア全体の振動モードも影響を受ける。
そのことはわかっていたにも関わらず、14kHz以上のカットオフ周波数でも予想以上に変化した。
今回2405の位置決めに使ったディスクは一枚だけである。
時間があれば複数枚のディスクを使うけれど、今回のような場合には、一枚に絞って決めた。
「新月に聴くマーラー」がテーマだったが、調整に使ったのはマーラーではない。
全体の音の確認に使ったディスクもマーラー以外のものばかりである。