新製品(Nutube・その3)
そろそろアナウンスがあってもいいんじゃないか、と期待していることがある。
コルグが開発した真空管Nutubeの出力管版である。
昨年1月の発表から一年半以上が経ち、Nutubeを搭載した試作機の試聴会も行われているようだ。
オーディオメーカーからコルグへの問合せも多いようだ。
秋にはなんらかの製品が登場してくるであろう。
それから一般市販も期待したいところである。
と同時に、ぜひとも開発してほしいのが、出力管の開発だ。
Nutube同様、直熱三極管を開発してほしい、と一方的に思っている。
Nutubeの電源電圧は5Vから80Vとなっている。
もしNutubeの出力管が登場したら、低電圧からの動作も可能になるのではないだろうか。
内部インピーダンスはどの程度になるだろうか。
私が勝手に期待しているスペックで出てくれれば、
管球式OTLアンプの設計がずっと楽になるはずである。
OTLアンプでなくとも、出力トランスの一次側インピーダンスをかなり低くできる可能性もある。
それにNutubeのヒーターは電圧0.7V、電流17mAで、
Nutubeの出力管も従来の出力管よりもずっと低いヒーター電圧と電流に抑えられれば、
出力管のヒーターの定電流点火も現実味を帯びてくる。
暑い夏、真空管アンプは休ませているというオーディオマニアも少なくない。
確かにこれだけ暑い夏だと、発熱量の多い真空管アンプ、
それもOTLアンプは涼しくなるまで、この音を聴くのはがまんしよう、
という気持になるのはごく自然なことかもしれない。
けれど出力管までNutubeで構成できれば、発熱の多さをあまり気にしなくもよくなる。
しかもオール直熱三極管でパワーアンプを構成できる。
もっとも古典的な構成を、もっとも現代的な真空管を使って実現できるようになる。
コルグがNutubeの出力管の開発に取り組んでいるのかどうかは、まったく知らない。
でも、まったく考えていない、取り組んでいないとも思えないのだ。