Date: 6月 25th, 2016
Cate: 名器
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ヴィンテージとなっていくモノ(その4)

何をもってして、ヴィンテージというのか。
これを考えていると、なかなか答が出なかった。
これといった定義が見つけられなかった。

ヴィンテージ(vintage)の意味は辞書を引けば載っている。
けれど、英単語としての意味ではなく、
オーディオにおけるヴィンテージとはどういうことなのか、
もしくはヴィンテージオーディオとは、どういうものなのか。

だから一度ステレオサウンドの特集で、
一流品(41号)やState of the Art(49号、50号、53号……)などを開いては、
そこに登場するオーディオ機器をパッと見ては、
これはヴィンテージと呼べる、これは呼べない、これは保留。
そんなふうに続けざまに見ていった。

定義づけがはっきりとしないままで、
むしろそんなことを考えずに、とにかく見て感じたままで、そんな振分けをした。

やっていて気づいたことは、
私がヴィンテージとして選んだモノは、オーディオの古典といえるものばかりであった。

名器と呼べるモノと重なってはいるけれど、
私の中では名器と古典は少し違ってくるところがある。
その意味では、名器をヴィンテージと捉えているわけではないことを確認したともいえる。

アンプでいえば、マランツのModel 7はヴィンテージである(私にとっては、である)。
Model 2、Model 9もヴィンテージといえる。
マッキントッシュのC22、MC275もそうだ。

ではJBLのSA600、SG520、SE400Sはどうかというと、保留だった。
私の中では、これらのアンプは名器として位置づけられている。
けれどヴィンテージかというと、ヴィンテージだ、とすぐさまそう思えたわけではないし、
だからといってヴィンテージではない、とすぐに感じたわけでもなかった。

この三機種の中では、SA600はヴィンテージに近い気もするし、
別の視点から捉えようとすればSG520の方が近いのではないか……、という気もしてくる。

パワーアンプのSE400Sこそ、回路的に見れば古典といえるわけだし、
ならばヴィンテージかというと、必ずしもそうは感じない。

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