Date: 6月 14th, 2016
Cate: 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと
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瀬川冬樹氏のこと(ステレオサウンド 61号・その2)

ステレオサウンド 42号と43号には、
「ステレオサウンド創刊10周年記念オーディオ論文入選発表」という記事がある。

ステレオサウンドが創刊10周年を記念して、オーディオをテーマとした論文を募集したもので、
締切日までに57篇の応募があった、とある。

優秀論文として3篇、佳作として5篇が選ばれていて、
42号と43号に優秀論文が掲載されている。
最優秀論文は該当作品がなかった、ともある。

審査には第一次がステレオサウンド編集部、
第二次が井上卓也、岡俊雄、黒田恭一、菅野沖彦、瀬川冬樹、坂清也、山中敬三、
ステレオサウンド編集長の八氏によって行われている。

ステレオサウンド 59号の158ページには、
創刊15周年を記念しての論文を募集している。
ここではテーマが四つ挙げられている。
 ①筆者への手紙
 ②わが愛するコンポーネント
 ③MY SOUND GRAPHITY
 ④五味康祐論

締切りは1981年の9月1日、12月1日、1982年の3月1日、6月1日の四回で、
それぞれの応募作の中から入選作と佳作を選び、一年間を通しての入賞作の中から、
検出したものには特選賞が与えられる、というものだった。
賞金もついていた。
入選作に10万円、佳作に3万円で、特選賞には30万円だった。

読者の論文募集は、59号が最後だった(と記憶している)。
創刊20周年での募集はなかった。それ以降もなかった。
次号でステレオサウンドは創刊50周年を迎えるが、読者の論文募集はない。

このことをどう捉えるか。
このことだけで考えるのか、他のことと関連付けて考えるのかによっても変ってくる。
ステレオサウンドをどう捉えているかによってもそうだし、
それ以上に、創刊20周年時には瀬川先生はもうおられなかったことが強く関係している。
私は、いまそう考えている。

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