LNP2になぜこだわるのか(その4)
マークレビンソンのLNP2というコントロールアンプは、使いやすいのだろうか。
音量レベルの設定にしても、
インプットレベル(左右独立)とアウトプットレベル、
ふたつのポテンショメーターが使われている。
この他にインプットアンプのゲインを切り替えられる。
このゲインの切り替えはNFB量をかえて行っている。
音のことに無関心であれば、使いやすいコントロールアンプといえよう。
けれど、LNP2を使いながら音に無関心ということはない。
そうなると、意外にゲイン設定とレベル設定が、
組み合わせるパワーアンプの入力感度、スピーカーの能率、
それに聴き手が望む音量によっては、シビアになることもないわけではない。
まずインプットアンプのゲイン。
初期のLNP2は0、10、20dBの三段階。
時期によっては0、10、20、30、40dBの五段階のモノもある。
このゲイン設定による音の変化がわずかであれば問題にはならないけれど、
この部分での音は変化はかなり大きい。
0dB、10dBの音は聴けばすぐにわかる。私は、0dB、10dBにしようとは絶対に思わない。
もっと言えば、0dB、10dBのLNP2の音を選ぶ人がいたら、
しかも音場を重視するといっていたとしたら、その人の耳は信用できない。
このゲインによる音の違いは、ステレオサウンドの試聴室で何度も確認したし、
JC2(ML1)のステップ式の左右のレベルコントロールもNFB量を変えていて、
この変化に関してもJC2を使っていた経験でも確認している。
今回のaudio sharing例会でも確認した。
0dBもしくは10dBに設定したLNP2の音は、私にとってはLNP2の音ではない、とはっきりといえる。