Date: 6月 4th, 2016
Cate: Noise Control/Noise Design
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聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その2)

CR方法の抵抗値とコンデンサー値の算出方法を読んで、
高音域におけるインピーダンス補正と早合点された方もいるのではないだろうか。

スピーカーのボイスコイルのもつインダクタンスによって、
高音域ではインピーダンスが上昇する。
これを抑えインピーダンスをできるだけフラットにするために、
抵抗とコンデンサーを直列接続したもので補正する。

回路的にはまったく同じになる。
違うのは主にコンデンサーの容量の違いである。

実際に計算してみればすぐにわかることだが、
インピーダンス補正ではμFの容量となり、CR方法ではpFの容量である。
コンデンサーの容量が大きく違い、作用してくる周波数も大きく違ってくる。

インピーダンス補正は可聴帯域内で作用してくるが、
CR方法はコンデンサーの容量の小ささから推測できるように作用するのは可聴帯域外である。

それから抵抗とコンデンサーを直列接続したアクセサリーも、市場に登場したこともある。
それらを分解したわけではないが、コンデンサーの容量はpFではないと思われる。

CR方法のコンデンサーはpF。そんなに小容量のコンデンサーと抵抗を取り付けて、
どれだけの音の変化があるのか。
それに電波科学には電源トランスに対して使うものとして説明されていた。
それをスピーカーに応用したわけだ。

実はCR方法は電波科学を読んで、一年くらいして試したことがある。
国産の3ウェイ・ブックシェルフ型スピーカーのユニットを外して、
まずはウーファーから試してみようと考えた。

けれどユニット取り付けネジを外してもユニットはバッフル板にくっついたままだった。
ウーファーがダメならばトゥイーターで試した。こちらもはずれない。
ゴム系の接着剤かなにかでくっついているようだった。

ゆっくり時間をかけてやってみれば外させたかもしれない。
けれどユニットのフレームは、そう頑丈そうでもなかった。
いわゆるプレスフレームだったから、あまり無理するとフレームが歪みそうでもあった。

それでしかたなくスピーカー入力端子にテスターをあてて直流抵抗を計った。
この場合は、ウーファーのユニットとコイルの直流抵抗の合成値となる。
当時は田舎暮らしだったから、ごく一般的な抵抗とコンデンサーでの実験だった。

正直、その効果ははっきりとはわからなかった。
やはりウーファーなりスコーカー、トゥイーターの入力端子に取り付けるべきであり、
使用する抵抗とコンデンサーも優秀なモノにすべきなのか、と保留することにした。

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