Date: 4月 9th, 2016
Cate: マッスルオーディオ
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muscle audio Boot Camp(その3)

1977年に出版されたラジオ技術選書「スピーカ・システム(山本武夫 編著)」にも、
直列型ネットワークの記述がある。
そこには、こう書いてあった。
     *
直列型と並列型は2ウェイ構成で、負荷が完全な定抵抗であればおなじ遮断特性が得られます。しかし3ウェイの場合には、中音スピーカ用のバンドパス・フィルタの低域カットと高域カットの二つのクロスオーバ周波数が接近していると、相互の影響が現われ正しい特性が得られません。クロスオーバ周波数を2kHzと5kHzとしたときの特性例を図9−15に示しますが、並列型と直列型では特性が異なります。
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図9-15をみると、直列型と並列型とでは特性に違いがあることが確認できる。
それに「負荷が完全な定抵抗であれば」ともある。
実際にはスピーカーユニットは定抵抗とは呼べないインピーダンス特性をもつ。
ということは、直列型と並列型で同じ遮断特性が得られるわけではないことは、
すでに伝わってくるし、
スピーカーユニットが並列なのか直列なのかによっても、
インピーダンス特性に違いが生じるであろうことは予測できる。
となると、実際のスピーカー動作時の遮断特性は、
並列型と直列型とでは違いが大きくなっている……、そう誰もが考える。

私もそう考えた。
それに「スピーカ・システム」を読んだころは、
ステレオサウンドからHIGH-TECHNIC SERIES-1が出ていた。
マルチアンプをとりあげた一冊だ。

マルチアンプシステムを、ひとつの理想として考えれば、
ネットワークの方式として並列型と直列型とでは、並列型のほうがよく見えてくるというものだ。

この時点では、私の中には、マルチアンプシステムとスピーカー内蔵のネットワークを、
別のものとして考えるという発想が、まだなかった。
だから、よりマルチアンプシステムに近いのはどちらか、という視点でしか、
並列型ネットワークと直列型ネットワークの違いを捉えていなかった。

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