Date: 12月 13th, 2015
Cate: ケーブル
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ケーブル考(コネクターのこと)

1977年にマークレビンソンのコントロールアンプLNP2とJC2は、
入出力端子にCAMAC規格のLEMOコネクターを採用した。

それまではスイッチクラフト製のRCAコネクターだった。
LEMOコネクターの採用により、変換アダプターかLEMOコネクターを使った専用ケーブル、
そのどちらかが必要となる。
面倒であり制約のあるコネクターなのは、これを選んだマーク・レヴィンソン自身がよくわかっていたはずだ。
それでも、信頼性ということで、レヴィンソンはLEMOを選んでいる。

LEMOコネクターは抜き差しの際、ホット側が先に外れるし、アースが先に触れる構造である。
つまりアンプのボリュウムを上げたまま、入力ケーブルの抜き差しをやっても、
スピーカーからショック音は出てこない。

オーディオマニアならば、一度は、ケーブルを何かの拍子に抜いてしまって、
ものすごい音をスピーカーから出してしまった経験があると思う。

これはRCAコネクターの構造上、抜く場合にはアース側が先に外れ、
差す場合にはホット側に先に接触してしまうからである。

アース側が接触していれば、ホット側の抜き差しでの音は発生しない。
だからステレオアンプの場合、たとえばCDプレーヤーとの接続をケーブルを交換する際、
左右チャンネルのどちらかのケーブルを抜く際には、音は発生しない。

なぜならば、アンプの内部で左右チャンネルのアースは接続されているから、
片側のケーブルを抜いても、もう片方のケーブルが接続されているからアースは接続されていることになる。
これで安心してしまって、残りのケーブルを抜いてしまうと、ショック音は出る。

LEMOコネクターでは、そんな心配は関係なくなる。
バランス接続に使われるXLRコネクター(いわゆるキャノンコネクター)も問題はない。

いちばん普及しているRCAコネクターだけが、構造上の欠陥をいまも抱えたままである。

この問題点はずっと以前から指摘されていた。
マークレビンソンのLEMO採用以前からの指摘である。
にも関わらず、いまもそのままになっている。

使い手が気をつけていれば問題ない、とはいえる。
けれど時として不注意で……、ということはある。
しかもいまは大出力のアンプが当り前のようにある。

ケーブルの値段の上限は、まるでないかのようである。
コネクターも高価なものがいくつもある。
それでもRCAコネクターのままである。

いったいいつまでRCAコネクターのままなのだろうか。

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