五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その11)
五極管のシングルアンプも、凝った回路でなければ、
つまりアンプの教科書に載っている基本的な回路で製作すれば、
テスターがあれば調整はできる。
自分でシャーシー加工して作るのか、
それとも部品すべて揃っているキットを購入して作るのか、
どちらでもいい、とにかく丁寧にハンダ付けして配線に間違いがなければ、
アースもしっかりととっていれば、ほぼ間違いなく音は出る。
自分で作った真空管アンプから音が出る。
初めての製作であれば、これだけでも嬉しい。
私が中学一年のころ、初めて製作した電子工作は、
初歩のラジオに載っていた、暗くなるとLEDが点灯するというものだった。
部品点数は少なかった。
自分で部品を買いに行く。
いまのようにインターネットで簡単に注文できる時代ではなかった。
ハンダ付けができれば、すぐに完成するものだったけれど、
それでもハンダ付けが終り、配線の間違いがないことを確認して、
電池を入れて、どきどきしながら暗いところに持っていく。
実際にLEDが光ったのを見て、嬉しくなった。
そのころはどういう動作でそうなるのかはよく理解していなかった。
なんとなくの理解でしかなかったけれど、それでも自分で作ったものがきちんと動作するのを見るのは、
やはり喜びがある。
初めて作る真空管アンプが、さほど凝ったモノでなくとも、
そのアンプがきちんと動作してスピーカーを鳴らしてくれれば、作った人にしかわからない喜びはある。
初心者だからこそ味わえる喜びといえよう。
その喜びの次のステップをどうするのか。