Date: 10月 13th, 2015
Cate: 使いこなし
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スピーカー・セッティングの定石(アンテナの場合)

瀬川先生がFMチューナーのアンテナはフィーダー型を使われていたことを書いた。
だからといってアンテナをないがしろに考えられていたわけではない。

共同通信社の「オーディオABC」、新潮社の「オーディオの楽しみ」、
どちらでもFMのアンテナのことについてかなり詳しく説かれている。
どんなに高性能なチューナーをもってきても、
電波を正しくとらえることができなければ、そのチューナーの性能の高さは発揮できない。

もっとも高性能なチューナーほど、受信環境が悪くとも(アンテナが不十分であっても)、
受信能力の高さを発揮してくれるという考え方もできなくはないが……。

アンテナが重要なことはかわっていても、アンテナは他のオーディオ機器やアクセサリーなどと違い、
住宅環境が大きく影響してくる。

八素子のアンテナを建てたくとも一戸建てであればそう問題はなくとも、
共同住宅住いとなると簡単にはいかなくなる。
どれだけ電界強度が高くとも、八素子のアンテナを建ててアッテネーターを介してチューナーに接ぐ。
わざわざ減衰するくらいなら素子数を減らしたほうがいいと考える人もいるたろうが、
実際にやってみると、アッテネーターをかませた方がはっきりと音がよくなる、と昔からいわれている。

アナウンサーの声が、その差をはっきりと出してくれるそうだ。
(私がアンテナに関してはほとんど経験がないので伝聞を書くしかできない)

アンテナの重要性は経験がなくとも理解できることである。
それでも書いておきたいのは、アンテナもまた基本通りにはいかないことがある、ということ。

「オーディオの楽しみ」で瀬川先生が、そのことについて書かれている。
     *
 以前住んでいた筆者の家では、専用のFMアンテナを使わずにフィーダーアンテナで済ませていた。まさに紺屋の白袴だが、それは、住んでいた四階建てのアパートが、大きな道路からずっと引っ込んでいて自動車等の雑音の影響がほとんどないこと、筆者の家がその三階で、アンテナの位置が地上約8メートル以上あったこと、そして、家の窓から東京タワーが見えるはど、途中に障害物がはとんど無かったことなど、FM受信については非常に恵まれた環境にあったからだ。専門家の友人がこれをみて、アンテナがひどいことにびっくりしていたが、電界強度も十分とはいえないまでもまあまあ。そしてマルチパスがほとんど無いことを知ってまたびっくりした。
 マルチパス対策という点では、フィーダー・アンテナを水平に張らず、一方の端を鴨居にビョウで止めて、垂直にダラリとたれ下がった状態で使っていた。こんな使い方は、FMアンテナの教科書によれば最低で、避けなくてはいけない設置法のはずだ。しかし筆者の家では、南側約30メートルのところに六階建ての大きなマンション群が建っていて、そこからの反射を避けるためにいろいろ工夫しているうちに、常識を破った垂直設置になってしまった。
 このように、FMアンテナの設置というのは、基本を知った上であえてそれを破るような設置を研究してみると、かえって良いコンディションに調整できることが少なくない。ことに建物の入り組んだ街中では、前記のように常識外れの方法で好結果を得ることがあるので、いろいろやってみなくてはわからない。が、ともかくFMアンテナ設置の基本だけは知っておく必要がある。
     *
フィーダーアンテナしか選択肢がないからといって、何も工夫しないことだけはさけたい。
フィーダーアンテナでもあれこれやってみることで、
ときには瀬川先生のようにすいへいにではなく垂直に垂らして使うことで、いい結果がえられることもある。

フィーダーアンテナの垂直使用は、いまやっている。
いま住んでいるところは電界強度が高いとはいえない。
フィーダーアンテナでは十分とはいえないからこそ、あれあれやってみた。
垂直にすることは憶えていたから、試してみた。悪くはない、といえる。

フィーダーアンテナの垂直使用がいいとはいわない。
でも、世の中にはやってみないとわからないことがある、ということ。
そして、それでも大事なのは瀬川先生も書かれているように、
基本だけは知っておく必要がある、ということ。

基本と常識は必ずしも同じではない、ということだ。

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