Date: 9月 14th, 2015
Cate: James Bongiorno
Tags:

GASとSUMO、GODZiLLAとTHE POWER(その4)

ステレオサウンド 51号の新製品紹介のページにGASのGODZiLLA、
52号の同ページにSUMOのTHE POWERが取り上げられている。

このころのステレオサウンドの新製品紹介のページは、井上先生と山中先生の対談によるものだった。
51号と52号のあいだは三ヵ月。
52号のTHE POWERの記事を読んでの既視感に、
やはり同じ血筋の、同じ遺伝子をもつパワーアンプなんだ、と思っていた。

51号、GODZiLLAのところには、こう書いてある。
     *
井上 マーク・レビンソンが硬めのエネルギー感とすれば、ゴジラは柔らかめのエネルギー感ですね。前者が激流としたら、ゴジラは海のように広い大河だと思う。
山中 最初はマーク・レビンソンのLNP2Lと組合せて聴いたのですが、これをテァドラに変えた時に、大河のようにとうとうたるパワー感がよく出ました。
 クラスAとクラスABを比べると、クラスAの方が音がよく磨きあげられているという感じですね。
井上 マーク・レビンソンを金属、あるいは硬質ガラスを磨き上げたような、硬さをもったつややかさとすると、ゴジラAは黒檀とか樫のような堅い木を磨きあげたような印象です。クラスAとクラスABの最大の違いは、クラスAの方が中域のエネルギー感がより強烈に出てくることですね国産のAクラスアンプとは違った力強さを十分にもっています。
     *
51号のGODZiLLAの記事は1ページだった、
52号のTHE POWERは2ページ使って取り上げられている。
これだけで注目度に違いがあることがわかる。

読めばわかるのだが、実際に評価は高い。
     *
井上 JBLの4343が、ころころと鳴らされてしまいますからね。ワイドレンジだし、特に中低域の迫力はすごい。一方、スピーカーが勝手に鳴らないように、うまくコントロールしている部分もあって、こういう性格のアンプですと一言でいいにくい面をもった製品です。大まかにいえば、マッキントッシュ的なサウンドバランスといえるかもしれません。
山中 しかし、実は全然違うのですね。
井上 そうなのです。音に対する反応は、もっと速いし。そういう意味で、非常に魅力を感じました。
山中 ちょっと聴きには当りが柔らかそうに感じるのですが、トータルなエネルギーはすごいですからね。エネルギー感のよく出る最近のアンプとしては、マーク・レビンソンのML2Lがあるのですが、この場合にはもっととぎすまされたエネルギー感でしょう。ザ・パワーの場合には、マスのある、たっぷりしたエネルギーが猛烈なスピードでぶつかってくるという感じ。ですから、ものによっては、本当に弾き飛ばされそうな印象があります。
井上 ごく初期のアンプジラにあったキャラクターがより凝縮され、よりパワフルになったというのが、一番わかりやすい説明ではないでしょうか。
 たとえば、マーク・レビンソンのコントロールアンプと組み合わせた場合は、それほど魅力は発揮されなかったと思うのですが、テァドラで鳴らしたら、途端に音の鮮度や躍動感が出てきたのです。このことからいっても、組み合わせるコントロールアンプをかなり選ぶと思います。
     *
マークレビンソンML2との対比で語られるエネルギー感のすごさ、
マークレビンソンのLNP2のときの音とTHAEDRAと組み合わせた、いわはど純正組合せといえるときの音の対比、
まったく同じことが51号と52号に書いてあるではないか。

このふたつの記事を、自分自身でTHAEDRAを使った経験を持った後で読み返すと、
GASのGODZiLLAも、ボンジョルノの設計だと思えてくる。

最終的な仕上げまでボンジョルノが手がけたかどうかは、おそらく違うであろう。
けれどアンプの核となるところの設計はボンジョルノの手によるものだからこそ、
51号と52号の記事のようになるのだろう。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]