オーディオの「本」(考える人・その6)
このブログは2008年9月に始めた。
その約一年後に、”the re:View (in the past)“を始めた。
このブログのために必要だと思い始めた。
川崎先生が書かれているように、《ジャーナリズムというのは、基本は日々の記録》であり、
それはどんなに速報性が高かろうと、記録する時点で過去である。
ならば、過去の日々の記録も求められるのではないか。
始めたころは、いまのように時系列順に並べていたわけではなかった。
ブログは紙に印刷して読むものではない、
パソコンのディスプレイ、スマートフォンやタブレットで読む。
そのことを考えると、時系列に並べる必要性それほど感じなかったからである。
けれど、広告という日々の記録も”the re:View (in the past)”で公開しようと思い立ち、
時系列順に並び替えることにした。
ブログは日々の記録に向いている。
この「向いている」性質は、過去の日々の記録にもいえることだ。
ブログは公開日時を自由にできる。
10年前、20年前の日付でも簡単に設定できる。
ある程度つくったところで時系列順に並べ替えることはけっこうな手間だったけれど、
やってよかったと思っている。
今日の時点で”the re:View (in the past)”でオーディオの広告を、1600点以上公開している。
昨年から”JAZZ AD!!“で、
スイングジャーナルに掲載されたレコード会社の広告も公開しはじめた。
広告ページをスキャンするために、本をバラす。
そのままスキャンすると、昔の雑誌は紙が薄いこともあって反対側の印刷がすけて一緒にスキャンされる。
これを少しでも防ぐために黒い紙を用意する。
それでも完全に防げるわけではない。そして昔の本は紙が黄ばんでいることが多い。
それから傾いて印刷されているのも少なくない。
これらをレタッチで修整していく。
簡単に処理が終ることもあれば、意外に手間どることもけっこうある。
面倒だな、と感じることもないわけではない。
にも関わらず続けているのは、小さな発見があるからだ。
先日も、この項に関係する、小さな発見があった。
スイングジャーナル1972年2月号の、日本コロムビアの広告である。
ここに「注目のカルダン・レコード第一弾!」とある。
ジャズに詳しい人ならば知っていることなのだろうが、
私はピエール・カルダンがレコード・レーベルをもっていたことを、この広告で知った。
レコードも出版の形態のひとつと考えれば、
(その1)で紹介したWIREDの記事《出版の未来は「出版社」ではなく「ブランド」にある》の例といえよう。
この記事は本の出版に関してだが、レコードという種パンに関してもそういえるのではないか。
これについては、いずれ書いていきたい。
ここで書いていくのは、本の出版に関してであり,
ステレオサウンドという本は、出版社から始まったわけではない、ということだ。