スーパーウーファーについて(その3)
ときどき耳にするのが、スーパーウーファーを加えたのはいいけれども、
スーパーウーファーの鳴りを目立たせないようにレベル調整をしていって、
どのくらいのレベルで鳴っているのか確かめたくて、スーパーウーファーだけを鳴らしてみたら、
まったく鳴っていなかった……、
スーパーウーファーの電源を落としても、まったく音は変らなかった(つまり鳴っていなかった)……という話だ。
日本人は、……というよりも、日本のオーディオマニアの中には、というべきか、
低音に対して臆病な人が、どうも少なからずいらっしゃる気がする。
低音を出すことは、知的な行為ではない、みたいにとらえられているような気もする。
野放図な低音が、それこそとめどなくドバーッと、つねに鳴りっぱなしだったら困るけれど、
低音はまず出さなければ、始まらない。最初は多少質の低い低音だとしても、まず出すこと。
よく、そんな低音だったら、出さない方が、ずっと透明感のある音になる、ということを口にするひとがある。
はたしてそうだろうか。
それは、ほんとうに透明感(瀬川先生がときおり使われる澄明感、こちらがよりぴったりだ)のある音だろうか。
とにかく調整していったら、スーパーウーファーが鳴っていなかった、そういう失敗をしないためにも、
あるところからはメインスピーカーのレベルで、全体のバランスを整えていったほうがいい。
スーパーウーファーの場合、ときには受持帯域は2オクターヴ以下ということだってある。
それでも、低音は音楽におけるベースである。そのベースの上に構築されるものとしてとらえるのであれば、
メインスピーカーのレベルを調整する、ということを、いちど試してほしい。
スーパーウーファーの追加のために、
専用のエレクトロニッククロスオーバーネットワークを用意したのであれば、そのレベル調整を使えばいいが、
たとえば私のようにSPD-SW1600的なウーファーの場合、
エレクトロニッククロスオーバーネットワークは要らない。
そのかわり、メインスピーカーのレベルを調整するとなると、
メインスピーカー用のパワーアンプには入力レベル調整(ボリュウム・コントロール)がいる。