「はだしのゲン」(荻上チキ・Session-22をきいた)
TBSラジオで月曜から金曜の22時から「荻上チキ・Session-22」が放送されている。
テレビのない生活が長いと、決った時間にテレビやラジオをつけて番組を視聴するという習慣がなくなる。
だから、けっこう聞き逃すことも多いが、できるだけ聞くようにしているラジオ番組のひとつである。
昨夜(8月10日)のテーマは、
「荻上チキの『長崎・原爆の日』取材報告 被爆報道のこれから、そして当事者たちが望むこと」だった。
いまは便利な世の中である。
聞き逃してもインターネットがあればポッドキャストでいつでも聞くことができる。
昨夜の「荻上チキ・Session-22」は、ひとりでも多くの人に聞いてもらいたい。
前半の、7歳で長崎で被爆された元長崎放送の記者、船山忠弘氏の話も聞き逃してはならない。
けれど、後半の長崎被災協・被爆二世の会・長崎会長の佐藤直子氏の話。
直子氏のお父様(14歳で被爆されている)の話を聞いたとき、
いままで体験したことのなかった感覚におそわれた。
なんなんだろう……、ととまどうしかなかった。
直子氏のお父様は、弟を被爆で亡くされている。
それだけでなく、自らの手で火葬されている。
この部分を聞いたとき、すぐにはなにかの感覚におそわれたわけではない。
わずかの間をおいて、それはおそってきた。
戦争の悲惨さは親からも断片的に聞いている。
テレビ、映画、小説、マンガなどでも知っている。
長崎原爆資料館にも行っている。
戦争を体験した人の数だけの悲惨なことがあったのはわかってはいたつもりだった。
それでも、佐藤直子氏の話を聞いたあとにおそってきた感覚には、とまどうしかなかった。