ダブルウーファーはロマンといえるのか(JBL 4520と4530)
JBLのバックロードホーン・エンクロージュアとして、以前4520と4530という、
ふたつのモデルがあった。
4520はダブルウーファー用で、4530はシングルウーファー用。
価格は、1978年当時、4520が166000円、4530が78000円。
4520は4530の約二倍だった。
ダブルウーファー仕様とシングルウーファー仕様だから、この価格差は当然と思われるだろうが、
このふたつのエンクロージュアの違いを知る人からすれば、4520の方が安いと思ってしまう。
4520と4530の違いは、単にウーファーを二発か一発かの違いだけではない。
4530に15インチ・ウーファーを横に二発取りつけられるように横幅を延ばしただけではない。
エンクロージュアのサイズ(プロポーション)、それに伴うホーンロード長が違う。
4530の外形寸法はW60.3×H121.3×D60.3cm、重量は54kg。
4520の外形寸法はW90.8×H127.6×D75.6cm、重量は98kg。
4530では150Hz以上は搭載したウーファーから直接放射され、
それ以下の周波数になるとホーンが受け持つ。
4530のホーン長は2mと発表されていて、再生可能な低域は50Hzまでとなっている。
4520は、エンクロージュアの奥行きが15cm増していること、
それから高さも5cm増し、ホーン開口部の底辺の位置が4530よりも低い位置になっている。
ホーン長も当然長くなっている。
JBLの公称値は4mとなっているが、さすがにそこまで長くはない。
もう少し短いはずだ。
とはいえ4520の低域の再生限界は30Hzまで伸びている。
42Hzまでホーンロードがかかると発表されている。
ウーファーから直接放射されるのは150Hz以上なのは4530と同じである。
4530と4520、
ダブルウーファーとはこういうものだということを強烈に感じさせてくれる。