Date: 7月 5th, 2015
Cate: 黄金の組合せ
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黄金の組合せ(その23)

AGIのコントロールアンプ511とQUADのパワーアンプの405の組合せ。
このふたつが、ある時期、良好な組合せ、うまい組合せと評価されてきたのは、
それぞれがもっている枠がうまく合さった結果のような気もする。

どちらのアンプにも枠がある。
ただしQUADの枠は意図的、意識的な枠なのかもしれないし、
AGIの枠は若さゆえに生じた枠だったのかもしれない。

このふたつの枠は、どちらも比較的初期の段階ではうまく合さっていた。
でもどちらのアンプも何度か小改良が施されている。
そのことによって枠に変化が生じる。

QUADの枠は、その枠自体が魅力となっていても、
405の改良、405-2への変更によって枠は少しとはいえ大きくなっている。

AGIの枠は、大きくしようという改良ではなく枠そのものをなくしていこうという改良のようでもある。

ふたつのアンプの枠は方向性にわずかとはいえ違いが出てきた。
AGIのデヴィッド・スピーゲルは20代の若いエンジニア、
QUADのピーター・ウォーカーは老獪といえるエンジニアである。
違いがあって当然であろう。
そのため、ある時期から511と405の組合せは、ステレオサウンドの誌面にも登場してこなくなっていった。

タンノイのIIILZとラックスのSQ38Fの組合せは、黄金の組合せと呼ばれていた。
けれど、IILZの後継機Eaton、SQ38Fの後継機 SQ38FD/IIの組合せは、誰も黄金の組合せとは呼ばなかった。
この理由も、改良にともなう枠の変化だったのではないだろうか。

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