電子制御という夢(その32)
テクニクスがもしSL10、SL15といったLPジャケットサイズのアナログプレーヤーを開発していなければ、
ビクター、ソニー、デンオンと同じように、電子制御のトーンアームを出していただろうか。
SL10はリニアトラッキング方式で、電子制御である。
ただし一般的なリニアトラッキング方式では、
ストレートのトーンアームパイプがある。
SL10とほぼ同時代の他社のリニアトラッキングアームのプレーヤー、
ヤマハのPX1、パイオニアのPL-L1のように。
テクニクスのジャケットサイズでは、
同じリニアトラッキング方式ではあっても、このパイプはない。
テクニクスがSP10との組合せを前提としたリニアトラッキングアームを開発したとしたら、
どんな形になっていただろうか。
パイプのないリニアトラッキングになっていたのだろうか。
パイプがなかったとしたら、
パイプに起因する問題もなくなる。
つまり低域共振の問題もほとんど無視できるはずであり、
そうなると他社の電子制御のトーンアームで行っていた低域共振の制御は不要となる。