4343の組合せ(その1)
4343の組合せ。
これだけで私の頭の中にはあれこれ浮んでくる。
最初に浮ぶのはステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」での、
ふたつの組合せである。
ひとつは井上先生によるもの、もうひとつは瀬川先生によるもの。
井上先生の組合せは、コントロールアンプがAGIの511、パワーアンプがマランツのModel 510M、
カートリッジはピカリングのXSV/3000、ターンテーブルはビクターのTT101、トーンアームはビクターのUA7045。
この組合せはオペラ好きの架空の読者からの手紙に応えて、というもの。
この記事を読んだときは気づかなかった。
この井上先生の組合せは、おぶざーとして参加された黒田先生に対する、
いわばプレゼンテーションである。
ここでの架空の読者、金井康雄氏はヨーロッパのおぺハウスで毎年オペラをきかれてるという設定。
記事は井上先生と金井さんとの対話を中心にまとめられている。
この記事を読んだ中学二年のとき、
まだ架空の読者だということは知らなかったから、
ステレオサウンドの読者はレベルが高いなんだなぁ、と感心するとともに、
少しばかり驚いてもいた。
スピーカーは4343に固定で、まずパワーアンプを複数機種聴いていく。
そこでの金井さんの音についての印象の的確なこと、
それにはオペラのレコードに対する聴き方の心得方も感心しながら読んでいた。