五味康祐氏とステレオサウンド(「音楽談義」をきいて・その1)
五味先生の命日である昨晩、ひさしぶりに「音楽談義」をきいた。
「音楽談義」はステレオサウンド 2号の特別企画として、
《音楽談義》 小林秀雄 きく人 五味康祐、というタイトルで載っている。
二部構成になっていて、第一部は「音楽の本質について」、
第二部は「ワーグナーの人と音楽」である。
「音楽談義」のことは、まだ読者であったころに知っていた。
けれど2号(1967年3月発売)という古いステレオサウンドは、
私がステレオサウンドを読みはじめた1976年の時点ではすでに入手できなかったのだから、
「音楽談義」のことを知った1979年3月の時点では読みたくとも読めなかった。
私が「音楽談義」を読んだのはステレオサウンドで働くようになってからだった。
ステレオサウンドは1986年に創刊20周年を迎えた。
創刊20周年を記念して、「音楽談義」はカセットテープによるオーディオブックとして一冊の本となった。
(発売は1987年だった)
当時、原田勲社長は、社員全員に「音楽談義」をくばられた。
それが、いまも私のもとにある一冊である。
この時「音楽談義」をきいた。
会社の取材用の録音機であったソニーのWM-D6できいた。
カセットデッキはその時もそれ以降も所有してこなかったから、
「音楽談義」をきいたのは、その一度限りだった。
昨晩、約30年ぶりに「音楽談義」をきいた。
これだけあいだがあいていると、初めてきくような感覚もあった。