オーディオ「原器」考(その2)
原器としての候補を思いつくまま挙げてみる。
音の入口からいけば、カートリッジではまずオルトフォンのSPUが、候補として真っ先に浮ぶ。
と同時に、カッターヘッドをそのままカートリッジに置き換えたものがひとつの理想とすれば、
ウェストレックスの10Aも原器といえる。
トーンアームは、やはりSMEの3012、3009が原器ということになるのか。
とはいえ現行製品に多く見受けられるワンポイントアーム。
これこそがトーンアームの原器とすれば、SMEではなく、他のトーンアームが候補として浮ぶ。
たとえはグレイ(マイクロトラック)の206Sといった、プリミティヴなトーンアームが原器となるのか。
ターンテーブルはどうか。
まずダイレクトドライヴ型の原器としてはテクニクスのSP10が存在する。
これは誰も否定することのできない原器である。
だがターンテーブルの原器となると、ずっと溯ることになる。
ガラードの301、トーレンスのTD124あたりを原器とするのには、やや抵抗がある。
けれど他にどんなモノがあったろうか。
コントロールアンプはどうか。
ここでもマランツのModel 7は外せない。
だがModel 7の原器としてModel 1があり、
Model 1はモノーラルだが、
これを二台使い、Model 6とともにウッドケースにおさめたモノがModel 7の原器といえばそういえる。
Model 7を挙げるのならば、マッキントッシュのC22はどうか、となる。
C22もModel 7も真空管アンプである。
トランジスターアンプとしての原器はないのか。