江川三郎氏のこと(その4)
江川三郎氏は、逆オルソンをどこから発想されたのだろうか。
ある日、ふと頭に浮んだのだろうか。記憶にはない。
逆オルソンのことが載っている当時のオーディオ雑誌には、
そのへんのことが載っていただろうか。
もしかすると……、とおもうことがひとつある。
前述したように、逆オルソンのころはパラゴンを鳴らされていた時期でもある。
ウーファーのバックチェンバーの裏板を外されていたことも前述した通り。
パラゴンの、この部分の写真をみたことのある人ならすぐにわかる。
見たことのない人は、パラゴンで画像検索すれば内部構造図がすぐにみつかる。
二本のウーファーがどういうふうに(どういう角度で)取り付けられているのかわかる。
これが逆オルソンの発想のきっかけではなかったのか、そんなふうに思える。
パラゴンの上から身を乗り出して、この部分を覗き込む。
音を鳴らしている状態でこれをやれば、頭は下を向いている状態だから、
右チャンネルのウーファーの音は右耳に、左チャンネルのウーファーの音は左耳にはいる。
このときの音が意外とよかったのかもしれない、
何かを江川三郎氏に感じさせるものがあったのかもしれない。
私の勝手な想像である。
実際のところはわからない。
パラゴンの存在と逆オルソンがまったく無関係とは、それでも思えないのだ。