アナログプレーヤーのアクセサリーのこと(その12)
アナログディスク再生に関すること全般にいえるのは、柔軟性が必要だということ。
針圧の調整にしても、新品で買ってきたカートリッジをとりつけて音を聴く。
最初は私だって標準針圧にあわせて聴く。
聴いてすぐに針圧を調整したりはしない。
レコードを何枚か、その状態で聴いてみる。
針圧を下限・上限まで変化させてみるのは早くてもその後であり、
新品のカートリッジを聴きはじめた、その日のうちに細かな調整はしない。
しばらく使っている(その音を聴いている)と、
なんとなく針圧を含めた調整をしたほうがいいかな、と思える時がある。
そういう時に、こまかな調整をしっかりとやる。
それでいい感じで鳴ってくれる針圧があったとする。
それをメモするようなことは、前にも書いたように私はしない。
その数値をどこまでも正確に計り、次にそのカートリッジを取り付けた時に正確に同じ数値にしたところで、
同じ音には鳴らない。
さまざまな要素によって、音は微妙に変化しているから、
それでもいい感じで鳴ってくれるポイントをまた出そうとしたら、
以前の数値にはもうこだわらないことである。
音を聴いて、どうしたらいいのか、瞬時に判断するものである。
そんな判断は、すぐには身につかない。
だから気に入ったカートリッジが見つかったら、あれこれいろんな調整を辛抱強くやってみるしかない。
そうやって感覚量を身につけるしかない。
オーディオのプロフェッショナルではないのだから、自分の好きなカートリッジに関して、
そういう感覚を身につければいい。
それは針圧計が示す数値とは関係のないものだ。