Date: 1月 3rd, 2015
Cate: バランス
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音のバランス(その2)

いまはトーンコントロールがないアンプがあたりまえになってきたため、
トーンコントロールの使いこなし的な記述もみかけなくなっている。

私がオーディオをはじめたころは、トーン・ディフィートスイッチがつきはじめたころではあったが、
トーンコントロールはたいていのアンプについていた。
そしてオーディオの入門書、入門記事にはトーンコントロールをうまく使うためとして、
まず大胆にツマミをまわしてみること、と書いてあった。

つまり低音調整用のツマミを右に左に、まずいっぱいまで廻す。
右(時計方向)にいっぱいまでまわせば、低音が増強され、
左(反時計方向)にいっぱいにすれば低音は減衰する。
どちらもあきらかにバランスがくずれた音であり、両極端に振った音である。

同じことを高音でもやってみる。
次にツマミを廻す角度を少しずつ減らしていく。
さらにもっと減らしていく。
これをくり返して、最適のバランスと感じられるところをさぐりあてる。

なれていない人ほど、最初はわずかしかツマミを動かさないことが多かった。
ちまちま動かしていたのではわからないことがある。
大胆に両極端に振ることで、中点がはっきりとしてくる。

これはなにも帯域バランスだけではない。
たとえば硬い音、柔らかい音に関してもそうだ。
熱い音・冷たい音、乾いた音・湿った音……。
最初からバランスのいい音を求めるよりも、
ある時期ある時期で、どちらにも極端に振ってみた音を出してみたほうがいい。

バランスをくずすまいと、ちまちま左右に揺れていては、
はっりきしたことは、なにも見つからない。

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