Date: 10月 30th, 2014
Cate: ジャーナリズム,
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賞からの離脱(その47)

ステレオサウンド 50号のころは読者だった。
そのころのステレオサウンドの表紙に何を撮るのか、
おそらく決めていたのは原田編集長だったと思う。

その原田編集長が、3号で表紙を飾ったMC275を、50号という記念号の表紙にふたたびもってくる。
そのころは思いもしなかったけれど、編集経験を経てから思うのは、
50号の企画は前々から考え企画していたのではないか、ということ。

State of the Art賞という企画をいつごろ思いつかれたのかはわからないが、
当時耳慣れない”State of the Art”を根づかせるためにも、
二号続けてやる、ということも考えつかれたのではないか。

State of the Art賞を現行製品と旧製品で行う。
旧製品のState of the Art賞はやるには50号がぴったりである。
ならば現行製品のState of the Art賞は、一号前の49号ということになる。

そうして49号、50号とState of the Art賞が続いた。
これで、ステレオサウンドのState of the Art賞というものが確立した、といってもいい。

ステレオサウンドとステレオサウンドのメイン筆者の人たちが考える”State of the Art”とは、
どういうことなのか、どういうモノなのかが、はっきりと読み手側に伝わってきた。

“State of the Art”のうまい和訳が思いつかなくとも、
“State of the Art”が意味しているところは、
49号と50号で選ばれているオーディオ機器が語ってくれていたからこそ、読み手は理解できた。

賞というのは権威がやはり必要である。
ステレオサウンドは見事にそれをやった。

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