Date: 10月 25th, 2014
Cate: ジャーナリズム,
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賞からの離脱(その44)

格付けということで、ステレオサウンドのベストバイの変化をみれば、
はっきりと格付けの性格が強くなっていることがわかる。

47号から、星による点数が導入されている。
「’78ベストバイ・コンポーネントを選ぶにあたって」で、瀬川先生はこう書かれている。
     *
 同じたとえでいえば、購入して鳴らしはじめて数ヵ月を経て、どうやら調子も出てきたし、入手したときの新鮮な感激もそろそろ薄れはじめてなお、毎日灯を入れるたびに、音を聴くたびに、ああ、良い音だ、良い買物をした、という満足感を与えてくれるほどのオーディオパーツこそ、真のベストバイというに値する。今回与えられたテーマのように、選出したパーツにA(☆☆☆)、B(☆☆)、C(☆)の三つのランクをつけよ、といわれたとき、右のようなパーツはまず文句なしにAをつけたくなる。そして私の選んだAランクはすべて、すでに自分で愛用しているかもしくは、設置のためのスペースその他の条件が整いさえすればいますぐにでも購入して身近に置きたいパーツ、に限られる。
     *
ステレオサウンド編集部は、ベストバイの選考者に対して、
星の数によって、「三つのランクをつけよ」と依頼している。

ベストバイという記事も、
ベストバイに選ばれるか選ばれないか、という意味、
点数がどれだけ入るのか、何人の人によって選ばれるのか、
どこにも賞とは書かれていないけれど、いわばベストバイ賞であり、格付けが行なわれている。

49号のState of the Art賞からはじまり、Components of the year賞、現在のStereo Sound Grand Prix賞、
すべて賞を与えることによる格付けである。
Components of the year賞からGolden Soundを、さらに選ぶようになっている。
さらなる格付けである。

いずれも格付けであるからこそ、
読者は自分の使っているオーディオ機器が選ばれれば、嬉しいものであろう。
どんな人であろうと、まったく嬉しくない、ということはないはずだ。

つまりベストバイもState of the Art賞も、
ステレオサウンドのメイン筆者による格付けであった。

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