Date: 10月 14th, 2010
Cate: 真空管アンプ
Tags:

真空管アンプの存在(その71)

TL431は、テキサス・インスツルメンツで製造している部品で、
“ADJUSTABLE PRECISION SHUNT REGULATORS” とデータシートには表記してある。
回路図上の記号は、3本足のツェナーダイオードといったもので、
ANODE、CATHODEのほかにREFという端子がある。

詳細についてはデータシートをダウンロードしていただくとして、
ラジオ技術に発表された石塚氏の定電流回路はTL431とダーリントン接続のトランジスター、それに抵抗2本、
これだけの部品点数で定電流回路を構成している。

電流値を決めるのは、トランジスターのエミッターとTL431のREF端子に接続されている抵抗(1本)だけである。
しかもREFの電圧を抵抗値で割った値が、電流値である。
つまり抵抗の精度と温度係数の良さによって、安定度はほぼ決定される。

この回路だったら、実用的である。
それでも実際にアンプに組み込もうとしたら、いくつか解決しなければならないことはあるけれど、
やろうと思えば、出力管のヒーターも定電流点火が現実的なものとしてくれる。

石塚氏の発表された回路は、たびたびラジオ技術に掲載されているし、
’80年代のおわりごろには、山岡という別のペンネームで、無線と実験でも発表されている。

TL431のデータシートに、石塚氏の発表されたものと同じ定電流回路が載っている。
ただし、こちらは制御トランジスターをがダーリントン接続ではない。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]