Date: 10月 3rd, 2014
Cate: ロングラン(ロングライフ)
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ロングランであるために(JBL 4311というスピーカー・その4)

4311というスピーカーシステムに、どちらかといえば無関心だったには、理由ともいえない理由がある。
どこで見たのかすらはっきりと憶えていないが、
4311のサイドに、”JBL”のステッカー(それも大きなサイズ)が貼られているのを見ている。

それも一度ではなく、何度か目にした記憶がある。

木目仕上げではなく、サテングレーの塗装仕上げだけに、
ステッカーが似合うといえばそういえなくもないスピーカーである。

あれは広告だったのか、それともオーディオ雑誌に載ったユーザーのリスニングルームの写真だったのか。
もうそれすら定かではないが、4311とステッカーの印象だけは、いまもはっきりと残っている。

とにかく、このステッカーが、4311は、そういうスピーカーなんだ、という印象を私に植えつけた。
むしろ、いまの方が、JBLのステッカーがもっとも似合うスピーカーシステムだと受けとめているけれど、
理由もなく粋がりたい10代のころは、それだけで拒絶する理由になりえた。

1982年に4311は4311A、4311Bを経て、4312へと変更された。
ここではじめてユニット配置がウーファーが下、スコーカー、トゥイーターが上になっただけでなく、
左右対称となる。
そして仕上げもサテングレーはなくなり、ウォールナット仕上げのみとなってしまう。
4312のサイドに、JBLのステッカーを貼る人はいなかったであろう。

現在発売されている4312Eはサテングレーではない、ウォールナット仕上げでもない。
ハーマンインターナショナルの4312Eのページによれば、
ブラックアッシュ調仕上げのキャビネットとブラック・ヘアライン調バッフル、ということになる。

そして4312Eの側面には、4311で昔見かけたのと同じように、”JBL”のロゴが大きく入っている。
4312Eを担当した人は、4310、4311がどういうスピーカーであったのかを理解している、と勝手に思っている。

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