黄金の組合せ(その21)
QUADの405は405-2へとモデルチェンジしている。
型番の変更はこのときだけだが、405のサービスマニュアルをダウンロードすれば、
405-2になる以前にも細かな変更が何度か加えられていることが回路図みればわかる。
AGIの511もモデルチェンジしている。
最終的には511Bとなっているが、511も何度か変更されている。
私がブラックパネルの511とわざわざ書くのは、そのためである。
どの時期の511が優秀かということでは、511Bということになるだろう。
性能も初期の511よりも格段に向上している。
肝心の音に関しても、より現代アンプと呼べるように変ってきている。
たとえば井上先生は511は初期のモデルから高く評価されていて、
何度かの改良がなされた音に関しても、より高く評価されていた。
511Bになる前でも、初期のモデルよりも洗練度を増した、ステレオサウンド 47号に書かれているし、
511Bが60号の新製品紹介に取り上げられたときは、次のように書かれている。
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bタイプは、511初期のクッキリとコントラストをつけた音から、次第にワイドレンジ傾向をFET差動IC採用で強めてきた、従来の発展プロセスの延長線上の音である。聴感上の帯域が素直に伸びている点は従来機と大差はないが、内容的には一段と情報量が多くなり、分解能の高さは明瞭に聴きとれるだけの充分な変化がある。音色は明るく、のびやかな再生能力があり、大きなカラーレーションを持たないため、組み合わせるパワーアンプにはかなりフレキシブルに反応をする。内外を含め最近のコントロールアンプとしては最注目の製品だ。
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このへんは瀬川先生とは実に対照的である。
瀬川先生は初期のモデルは高く評価されていたけれど、変更後の511に関しては、
ベストバイでも点数をいれらることはなかった。