Date: 7月 2nd, 2014
Cate: 再生音
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続・再生音とは……(生演奏とのすり替え実験・その3)

ビクター50年史には、もうすこし、すり替え実験について書いた記事がある。
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 ステレオ全盛時代を迎え、ビクターとしてはヒットモデルを次々と発売し、数々の音場実験データーを保有していたにもかかわらず趣味の世界であるオーディオの世界に手前勝手な製品をユーザーに押しつけるのはポリシーに反することであり、大ぜいの人々の実際の音に対する感じ方をはっきり認識する必要があった。そこで考案されたのが、昭和35年の藤家虹二クインテットの演奏とテープのスリ替えに始まり、昭和40年の北村英治クインテットとレコードのスリ替え、そして昭和41年の日本フィル50名のオーケストラ演奏とレコードのスリ替え実験まで3回実施された生演奏と再生音のスリ替え実験であった。
 このような実験は当時大変な冒険とされていたがトップメーカーであるビクターはこの失敗するかもしれない未知の実験に挑戦する義務があった。しかし当時の最新技術を駆使し録音から再生まで一丸となって不眠不休の努力の結果、この公開実験は幸い大成功し一連の実験を通して得られた貴重な音場的データーは、その後の製品に生かされた。
 特に、音域バランス、エネルギーレスポンス、帯域だけはどうにもならない問題、音質だけではない複雑な音場への取組みがきわめて重要であることがわかり、SEA、無指向性スピーカーの開発につながり、ただ単に広帯域にするだけでなく低音域、高音域のエネルギーバランスが重要な要素であることも確認した。
 又このころよりプレーヤーシステムに対する積極的なアプローチが展開されトラッキングエラーレスアームや、2重アイドラーターンテーブルも開発された。
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これでわかるのは、三回目も二回目同様、レコードが使われている、ということである。

ビクターのすり替え実験の詳細をまだ知らないころ、あれこれ想像していた。
レコードなのかテープなのか。
アンプやスピーカーは特別に誂えたものなのか、それとも市販品なのか。

私はテープだろうな、と思っていたから、二回目と三回目がレコード(LP)だということが、まず意外だった。

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